自己実現難民

Mammo.tv「今週のインタビュー(2004.7.19-2004.8.1号)」山田ズーニーさん
http://www.mammo.tv/interview/155_YamadaZ/

(2ページ目 http://www.mammo.tv/interview/155_YamadaZ/2.html から引用)

 「やりたいことが見つからない」とよく言います。その問いにはまってしまって、迷路に入ってしまう。私は「自己実現難民」と呼んでいます。中には、やりたいことがないから大学を卒業してからの2、3年働かず考えるといった選択をしてしまう。
 「やりたいことが見つからない」という問いは一生ついて回ります。突出してそれがつき付けられるのが、就職活動だと思います。昔だと生活が厳しいので、就職は当然で「稼ぐために働く」という選択がありました。
 でも、いまは「自分にやりたいことがどこかにあって、それにピッタリあった仕事があり、それに就くことで自己実現しよう」という気持ちで仕事を探す人は多い。企業も「経理の人員が欠けたから代用品として来てほしい」という言い方では誰も応募しないから、「君の夢を応援します。やりたいことは何ですか。それをかなえます」という言い方をします。
 結局、お互いに「働く」という実態からそれてしまっているし、やりたいことが見つからない人が追い詰められてしまっています。

やりたいことがない人が自分の中をいくら掘っても何も出てこない。「やりたいこと」は自分と他者の間にある。だから、やりたいことを見つけたいなら、社会に出て、他者の話す言葉を理解し、他者とコミュニケーションをとらなければならない──とのこと。