立岩さん

以前から、立岩真也はひきこもりやニートについてほとんど言及しないよなぁ……とおもっていた。立岩さんが言及しない理由がようやくちょっとだけわかった。「わからない」からというのが理由のひとつのようだ。

ニートを生み出す社会構造は」社会学立岩真也さんに聞く(『Fonte』168号に掲載)
http://www.arsvi.com/0w/ts02/2005018.htm

  僕はニートや若者について、調べたり読んだりしてないので、よくわかりません。わからないときは、わからないと言った方がよいと思うので、まず、それを言っておきます。
  ただまず、職がない。雇われる側にとってみれば厳しい状況になっています。もう一つ、人が足りているから人の使い方が荒くなっている。さらに、ものがたくさんあるのに、もっと作って売ろうとするから、働く側にとれば、「ここまでやる必要あるの」と思うことをさせられる。状況はこうなのに、やる気があるとかないとか、人間関係の作り方がうまいとか下手だとか、「現代の若者」の性格みたいなもので説明するのはだめだと思います。
  では、経済を拡大し、雇用を拡大すればよいかというと、それもうまくいかない。生産は基本的に足りていますから、無理して増やそうとしても増えないし、それでも無理して増やすと意味の感じられない仕事が増えることになります。
  それでも多くの人が働くようにしたいのなら、仕事を分け合うことです。そうしなければ、仕事したくても仕事はない。誰にだってわかる理屈です。若者の根性の問題ではありません。

このあとに出てくる「働けない」と「働かない」の話や、最後に出てくる「仕事がいやなら金(金がいやなら仕事)をわけろ」という話などに立岩さんらしさがすごくあらわれていて貴重なインタビューだと感じた。

こういうインタビューを企画・実行する東京シューレの関係者ってさすがだなぁとおもう。