ニート

ニートNEET)がキーワード登録されています。NEETは、Not in Employment, Education or Trainingの略語。「道のりブログ」さんが2004-04-16のエントリーで「働く気や学ぶ気がさっぱりない若者のこと」と紹介されていましたが、これがニートについて一番わかりやすい説明かもしれません。

キーワードの説明文に、つぎのような文章があります。

小杉礼子・労働政策研究研修機構研究員の研究によると2000年国勢調査を基に15才から34才のニートは日本で76万人ほどいると推計されている。ちなみに同年代の失業者は146万人とされているので問題の大きさがわかる。

リンクから、小杉礼子・堀有喜衣による労働政策研究・研修機構のディスカッション・ペーパーを読むことができます。「全国でひきこもり41万世帯」説はid:matuwa:20040407で確認したように統計学的根拠に問題のある数字でしたが、この「15才から34才のニートは日本で76万人」の算出方法についてもディスカッション・ペーパーを読んで確認してみたいとおもいます(国勢調査にもとづいた推計であれば統計学的な問題が生じる可能性はすくないだろうと、ディスカッション・ペーパーを読まずに勝手に想像していますが)。

キーワードを登録されたid:sarutoru:20040427さんは、ニート関連のリンク集も作成されています。

◆追記 2004-05-07
精神医学の観点から、id:hotsuma:20040505#p2 さんがニートについて。

退却神経症(ASIN:4006000952,ASIN:4130161059,ASIN:4061489011)や逃避型抑うつ(ASIN:4772402330)を連想。PDD(id:hotsuma:20040229#p1)や統合失調症圏のヒトも多いのだろうけど。

香山リカ就職がこわい講談社ISBN:4062122693)に関連して、id:Couta:20040429#p2 さんが「就職を遠ざける病理」について。

●自己イメージが希薄ゆえに不安な自分探し君と、■自己イメージの連続性が過剰に保たれる自己愛君と、のふたつをメインとして大体説明がつくように個人的には思う。このふたつは結構、性質が異なるものに思うのだが、5章ではちょっと混ざっちゃってるな。
(中略)
終章、打つべき手があるとすれば、「とりあえず」のスキルを身につけること。自分について考えることと就職することとは、「とりあえず」切り離して考えること、だと香山氏は言う。

全くその通りだと思いながらも、所謂<わかってて乗る>スキルの壁の高さは、●と■とでは全然違うじゃんという突っ込みを入れたくなる。

もちろん、■自己イメージが連続し、それが自己愛の肥大によって支えられているほうが、「わかってて乗る」「とりあえず、切り離す」ことが難しい。●にとっては、この本が転機になるかもしれないが、■退却神経症的青年にとっては、「とりあえず、わかってて乗る」が泣きたくなるほど難しいのだよ。臨床家は百も承知だろうけど。

「とりあえず、辛かったら精神科に行こうよ」とは書いてない。書くべきだと思うな。

このような「自己愛君」に対して、精神科医はどんな治療をするのだろう。