2.対象者本人のひきこもり経験

「地域疫学調査による「ひきこもり」の実態調査」(PDFファイル)の調査対象者は、岡山県・鹿児島県・長崎県の20歳以上の一般住民から無作為抽出された1646人です。とりあえず、この調査における「ひきこもり」の定義を質問文で確認し、その質問文に関連した調査結果をみることにします。

まず、対象者本人のひきこもり経験について。つぎのような質問文です。

これまでに、仕事や学校にゆかず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅にひきこもっていた時期がありましたか。(時々買い物などにでることはかまわないとする)

この質問文から「仕事や学校にゆかず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6ヶ月以上続けて自宅にひきこもってい」る状態として「ひきこもり」が定義されていることがわかります。

ひきこもり経験については、20歳台から40歳台の690人の対象者にだけ質問しています。その690人のうちひきこもり経験ありは9人(1.30%)でした。

その9人について、性別、ひきこもり開始年齢、ひきこもり期間などを表にしてみました。

ひきこもり経験者の性別 人数
男性 8人
女性 1人
──男性のほうがおおいのは予想どおりでしょうか。

ひきこもり開始年齢 人数
10-14歳 2人
15-19歳 3人
20-24歳 1人
25-29歳 1人
40-44歳 1人
不明 1人
──40歳台の1人は数年前に職を失ったことによるひきこもり事例であり、「この例はいわゆる思春期青年期のひきこもりとは質を異にする可能性がある」と報告書では説明されています。

ひきこもり期間 人数
6ヶ月 2人
8ヶ月 1人
1年 3人
2年 1人
2年半 1人
不明 1人
──ひきこもり期間が8ヶ月の1人が、さきほどの失業による40歳台のひきこもり事例にあたります。