ニートやら責任やら

一時的かもしれませんが、なんだかトラックバックをいただく機会がふえたようで。以下、すべてのトラックバックをとりあげるわけではありませんが、最近いただいたトラックバックをきっかけにして感じたことなどを書くことで返礼とさせていただきます。

ニートと高校生の就労意識

まずは id:matuwa:20040910#p1(2004年版「労働経済白書」発表)にいただいたトラックバックより。

中日新聞 ヤング言いたいネット(「*日向で寝ている怠惰な山椒魚の寝言的日記*」2004-09-18)
http://d.hatena.ne.jp/papapapanda/20040918

何だろうなぁ…、こんな若いうちから「〜すべき!」って生き方を狭めなくてもいいのに…、と思う。それに若年無業者やフリーターの努力不足にばかり言及していて、なぜそうなったのかという疑いを持たずに社会を見ているのが恐ろしい…。もしや新聞やテレビや教師の言ったことを真に受けているのか!だとしたら嫌だな。

18ならおそらく高校3年生なんだろうな。就職するか進学するか知るところでは無いけれど、誰か彼女の投書に対して真剣に応えてくれる大人が現れてくれることを祈る。

これは、中日新聞に掲載された「ニートは、ただの怠け者だと思います」という高校生の投書に対する小ぱんだ(id:papapapanda)さんのご意見です。

わたしが投書(の小ぱんださんによる引用)を読んで感じたのは「この高校生がこのまま刹那的にならず、将来のことをかんがえ、社会人としての自覚をもって働ける日がくることを祈る」でしょうか。そして「自分が無業者になるかもしれない可能性」にリアリティーを感じるヒトと感じないヒトでニートや無業者についての意見や態度がわかれるのかしら……と想像してみたり。

ちなみに、高校生の就労意識や正社員・フリーターの話題では id:shiokuri さんの日記には現場の声がつまっていてすごく勉強になります。

ニート非モテの類似?

つぎも「労働経済白書」関連のトラックバックです。

ニート または 求めよさらば与えられん(「ぴり・ぴり」2004-09-15)
http://d.hatena.ne.jp/pirica/20040915

取材された「ニート」のひとりが、就職の面接の際,いつも「あなたが,これだけはダレにも負けないぞってとこは,どこですか?」という質問で答えられなくなってしまい、ダメなのです,と言っていた。その姿は,「ぼく,全然彼女ができないんです」といってる男たちに重なるとおもった。仕事も恋愛もなにもかも,自ら求めずして誰がホイホイ与えてくれるというのだろう。

トラックバックは19日の日記からいただきましたが、こちらからは15日の日記へトラックバックを送信させていただきます。

聖書において「求め」そして「与えられ」るのは神(父)の愛ではなかったか──そんなことが気になりつつもぴりぴり(id:pirica)さんがおっしゃりたいことはよくわかります。

「求めよさらば与えられん」という表現をつかうならば、無業者や NEET の問題はつぎの2点にまとめられるかもしれません。

  1. そもそも「求め」ようとしない
  2. 「求め」ているものと「与えられ」るものが一致しない

それぞれの原因についていろんな指摘があるかとおもいます。そのようななかで今年の労働経済白書は、「1.」については若年層の「生活習慣や就労意欲の欠如」を、「2.」については景気低迷や企業の採用抑制など「就職が難しい状況」を指摘していたとおもいます。

「求めよさらば与えられん」が仕事だけでなく恋愛にも当てはまるというご意見もよくわかります。たとえば id:ryoko:20040920#p1 や同日のコメント欄などで RYOKO(id:ryoko)さんが恋愛を「求め」ようとしない「非モテ」のヒトたちをとりあげていらっしゃるように。

「求めよさらば与えられん」をいいかえた「求めなければ、なにも与えられない」というのがいまの時代なのかもしれません。過去には、積極的に「求め」なくても慣習的になにか「与えられ」ていた時代もあったのかもしれないけれど。そんな過去の時代にはうまく機能していた「仕事もパートナーも手に入れて一人前」という感覚が、現代の積極的に「求め」ることができないヒトを苦しめているのかもしれないとかんがえてみたり。

言論の自由ということで「仕事もパートナーも手に入れて一人前」という感覚を疑おうとする懐疑派のヒトにも居場所があればいいのかな……。

責任とリカバリ

最後に id:matuwa:20040915#p1(責任と退却)にいただいたトラックバック

上山さんのサイトのコメント欄(「Demilog@はてな」2004-09-15)
http://d.hatena.ne.jp/demian/20040919#p1

責任、責任て言われると誰でもつらいものです。あまりその重さにおそれおののかずに行動出来て、問題が生じたら生じたでリカバリーの行動も気軽に出来る世の中がいいでする。

「でみあん(id:demian)さんの半分はやさしさでできている」と以前からブログやコメントを拝見して感じていましたが、このトラックバックでもそのことを再確認しました(笑)。このでみあんさんの「やさしさ」というものが、じつはわたしが「責任」にこだわるきっかけだったりします。しかしこのことについては上山さんがブログに復帰されてから説明させていただきたいとおもいます。

現時点で2004-09-15の「責任と退却」についてひとことだけ補足するならば、つぎのようになります。ひとくちに「責任」といってもハードなものからソフトなものまでいろいろあるとおもうので、それぞれのヒトが自分でできる範囲内の「責任」をはたすことができればそれでかまわない、と。それから「リカバリーの行動も気軽に出来る世の中がいい」というのは同感です。

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