詩はなんの役にたつのだろう
C. D. ルイース(深瀬基寛 訳)『詩をよむ若き人々のために』ちくま文庫(ISBN:4480028609)
詩とは読者のこころのうえに、ある特別な効果をつくり出し、そして読者のためにこの世界をはっきり照らし出さんがために、単語を使用するある特別な仕かたなのです。もしもみなさんがじぶんの感情を、詩が掻きおこすような仕かたで掻きおこされるのがこわいとおっしゃるなら、また、この世界がただ眼にうつっただけの意味よりももっとふかい意味をもっていることを知りたくないとおっしゃるなら、またみなさんの鼻の先だけでなくもっと遠い世界を見るのがこわいとおっしゃるなら、みなさんはちょうど気狂いをよけてとおるように、詩をよけてとおってもいいことになります。しかしそうしたところでなにも詩や詩人が気狂いだという理くつはなりたちません。(12ページ)
ひょんなことから詩のことが気になってしまったので、お金もないのに本を買ってしまったわけです。この無計画な行動をなんとかしなければ……。
しかし詩について語るべきものを持ちあわせていないので、詩とは関係のないべつの話題に変更します。
引用からもわかるように訳文が非常に個性的でおもしろいのですが、これは深瀬基寛が50年まえに翻訳した作品。「日本版のはじめに」のなかに「日本の読者なら高校程度の学生諸君の読みものとしてもっとも適当ではないかと思います」とあるけれど、深瀬基寛は高校生が読むことを念頭においてこの訳文をえらんだのかどうかは不明。
深瀬基寛といえばウォーコップを連想。なぜならウォーコップの著書『ものの考え方』の訳者が深瀬基寛だから。この両者については id:seijotcp:20040830#p2 さんがとりあげていたつぎのサイトにくわしい紹介があります。
- 知られざる思想家たち Unknown Thinkers
- http://homepage3.nifty.com/thinkers/
さらにウォーコップといえば安永浩を連想するわけですが、安永浩の著作は現在でも比較的入手しやすいものがあるので連想の理由や関連サイトの紹介は省略。