ひきこもりと障害者認定:精神科医の立場から

磯部潮『「ひきこもり」がなおるとき:23人の臨床例』講談社+α新書206-1A(ISBN:4062722607

私の経営する「いそべクリニック」では、「社会的ひきこもり」の人に対しては、基本的にカウンセリングを行っています。(中略)以下は、料金の概略です。

初診時の料金は次のようになっています。

(中略)

再診時の料金はつぎのようになっています。

通院医療費公費負担制度」あるいは「精神障害者保健福祉手帳」を申請するかどうかで自己負担額は異なってきます。「社会的ひきこもり」の人は長期的な治療を必要とすることが多いので、当クリニックでは多くのひきこもりの人が「通院医療費公費負担制度」を利用されています。

精神障害者保健福祉手帳」を取得される人はあまりいません。これは、障害者というネーミングを受け入れがたいということもありますが、現行制度においてはそれほど取得のメリットがないということが主な理由です。つまり、障害者というネーミングを受け入れるだけの対価値が現時点ではないということです。
(以下略)(188、189ページ)

新書のひきこもり関連本では、斎藤環『社会的ひきこもり:終わらない思春期』PHP新書065(ISBN:4569603785)が有名だが、個人的には本書のほうが読みやすい気がする。ひきこもりを知るための最初の一冊か?