「精神及び行動の障害」患者数の変化

『平成8年 患者調査』『平成11年 患者調査』『平成14年 患者調査』より作成。『患者調査』は全数調査ではないので、各年の数字は「推計患者数」です(「推計患者数」とは、調査日1日に病院や診療所を受療した患者の推計数のこと)。

傷病名 平成8年 平成11年 平成14年
血管性及び詳細不明の痴呆 45400 63000 64700
アルコール使用<飲酒>による精神及び行動の障害 25500 21400 21800
その他の精神作用物質使用による精神及び行動の障害 1700 1800 1700
精神分裂病分裂病型障害及び妄想性障害 264300 260100 259700
気分[感情]障害(躁うつ病を含む) 60300 64000 91300
神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害 50500 45800 53100
精神遅滞 15200 13100 12900
その他の精神及び行動の障害 18600 20700 24000
合計 481500 490000 529100

「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」の患者数が急増しているようです。ただしこの調査には、「傷病名」が患者の状態を的確に捉えているのかという問題、つまり医師による診断の信頼性という厄介な問題がつきまとうわけですが……。それから全数調査ではなく標本調査なので、推計患者数については誤差を考慮したほうがよさそうです。

『患者調査』では「総患者数(傷病別推計)」という推計数も公表されています。「総患者数」とは「調査日現在において、継続的に医療を受けている者(調査日には医療施設を受療していない者も含む。)の数を次の算式により推計したもの」(「用語の解説」より、算式略)なんですが、患者数の変化を確認するときに「推計患者数」と「総患者数」のどちらが適切なのかよくわかりません(というか、『患者調査』よりも適切な統計があるかもしれない)。