引きこもり依存症

【特集】引きこもり依存症(『アディクションと家族』第21巻1号)
http://www.iff.co.jp/jrnl/A20041/menu.html

特集 引きこもり依存症(第14回日本嗜癖行動学会より)
特集にあたって 斎藤学 15
ひきこもりを生む社会 中垣内正和 17
ひきこもりと家族 斎藤環 27
引きこもり依存症〜システムズ・アプローチに基づく対応法 斎藤学 33
現代社会の象徴としての「摂食障害」とその地域差
1.摂食障害が教えてくれるもの
香山雪彦 54
現代社会の象徴としての「摂食障害」とその地域差
2.地域の中での対応(自助活動を中心に)
香山雪彦 63

ちょっとまえに「自助グループのあり方などを考えると、摂食障害とひきこもりの接点および差異というのはけっこうおもしろい視点で描かれるのではないか」というメールをいただいた。そんなわけで(1)こんな雑誌もありますよ、そして(2)ひきこもりと摂食障害が関連づけられた特集もあるみたいですよ、という紹介をかねてメモ。『アディクションと家族』は大きな書店なら店頭にもならんでいるので、気が向いたら手にとってご覧ください(がっかりするかもしれませんが)。

メールをもらっていろいろかんがえていたのですが、たいしたことは思いつきませんでした。

自助グループアルコール依存症の治療に由来する。そして、ひきこもりや摂食障害にも自助グループのようなものがある。だから、ひきこもりや摂食障害を依存症や嗜癖の観点からかんがえることにはなんらかの妥当性があるのだろう。

斎藤学は「引きこもり依存症」という言葉をつかっているけれど、ひきこもり当事者は何に依存しているのだろう。アルコールのように薬理作用をひきおこす化学物質への依存は、ひきこもりには基本的にあてはまらない(もちろん、アルコール等による酩酊をくりかえすひきこもり当事者は存在するとおもうが、それはひきこもりの構成要件として必要不可欠なものではない)。

では、そもそもアルコール依存症の当事者は何に依存しているのだろう。アルコールだろうか。もしアルコールによる薬理作用だけが問題なのだとしたら、アルコール依存症の治療は内科医が担当すればよい。しかし精神科医が治療にたずさわっている。

……ここからはアルコール依存症の話になりそうなので(以下略