住所を登録すること

いろんなヒトがいろんなことを言ってらっしゃるようですが、とりあえずひきこもりと関連したものをメモ。

はてな住所要求とヒッキー(「MEK重工」2004-11-05)

http://d.hatena.ne.jp/mekpsy/20041105#p1

ひきこもりとそうでない者との間に、拒否反応を示すか否かの明確な差があるかどうか興味がある。もしあるとしたら、ネットワーク上ですらひきこもり的な対人回避・社会恐怖を示しているわけで、治癒の見込みが薄い気がする。ひきこもりが凄い情報を発信していて特定されるとまずい!ってありえないし。というか、法的に特定すべきときには既に出来るはずだから、今更何を慌てる必要があろうか。いやない。反語。とにかく今回の拒否反応の一部は神経症的でパラノイア的に見える。

個別の論点については違和感を感じるところがいろいろあったりするのですが、ひきこもり当事者のネット利用姿勢には特徴があるのかという問いかけは興味ぶかいなあと。

わたしが興味があるのは「ひきこもりとそうでない者との間」の違いよりも、ネットを利用しているひきこもり当事者のなかでの違いだったりします。たとえば、ひきこもり当事者のネット利用について、

  1. ウェブを閲覧するだけの当事者
  2. 匿名掲示板に投稿する当事者
  3. 自分のサイトを開設する当事者(掲示板、コメント欄、トラックバック等なし)
  4. 自分のサイトを開設する当事者(掲示板、コメント欄、トラックバック等あり)

こんな4分類があったとして、それぞれの分類ごとに当事者のパーソナリティに特徴があるのだろうか。こんなことをときどきかんがえたりします。

あらら、住所の登録とまったく関係のないお話になってしまいましたね(汗)。

迷い中(「project codename: katharina」2004-11-02)

http://d.hatena.ne.jp/katharina/20041102#p1

 いやだよいやだ。住所を教えるのは絶対いやだ。なにしろ「ひきこもり」で書いてるからな。仮にすーぱーはっかーかなんかがはてなを襲っちゃって、はてなidと本名・住所が結びつくような仕方で情報が流出しちゃったら、って考えると。ひきこもりでいる私の現在は未来になっても消せない過去として自分の中には残っちゃうけど、外に見せる名前にまでその言葉が結びついてしまったら、私にとってそれは打撃だ。「元ひきこもり」として一生生きていこうという決心は私はできないし、したくない。それは辛すぎる。

このあとで「もう自意識過剰ホルモンが分泌されまくり状態だ」と自分で書いていらっしゃるところが katharina さんらしいなあと。

個人情報をはてなのサーバに登録するとその情報については登録者自身でコントロールできない部分(サーバへの不正アクセスやサーバの盗難事故などの可能性)が生じてしまうので、そのことに不安を感じるのは自然な感情だろうし、その感情は自意識過剰やひきこもり当事者であることとそれほど関係がないのかもしれないとかんがえてみたり(いわゆる「家族バレ」についても、ひきこもり当事者ではないと推測されるユーザーさんも懸念されていらっしゃるようです)。

そんなわけで住所の登録というよりは、「ひきこもり」や「元ひきこもり」というアイデンティティにまつわる葛藤の表現としてこの文章にリアリティを感じました。

ついでに

では、わたしは住所を登録するのか。

はてなのユーザーになった当初から、わたしは本名で氏名登録していました。その理由はいろいろあるのですが、ダイアリーを公開するためにはてなユーザーになったからというのが主たる理由です。たとえはてなに虚偽の氏名登録をおこなったとしても、ネット上で文章などを公開すればそれを手がかりにソーシャル・エンジニアリング(ソーシャル・ハッキング)をおこなって個人が特定されてしまう可能性があるわけで、虚偽の個人情報を登録するのは無意味ではないかとかんがえたのでした。──そんなわけで、わたしは住所を登録することにも抵抗感はそれほどなかったりします。

はてなの個人情報登録制度は今後も一転、二転?しそうな気配があります。しかし結局のところは「はてなが提供しているサービスの魅力」と「個人情報を登録するデメリットやリスク」を比較して、はてなに入会する/退会するを各人が決めるしかありません。個人的にはアンテナとダイアリー(ブログ)は他社でも同種のサービスが提供されているのでちょっと魅力にとぼしいのですが、グループはかなり魅力的なサービスだと感じています。──そんなわけで、わたしは住所を登録して来年2月以降も当分ははてなユーザーでありつづけるつもりです。

はてなが提供するサービスは魅力的だけど個人情報は登録したくない」というユーザーさんは、とりあえず虚偽の情報を登録してみていつまでサービスを利用しつづけることができるか実験してみるのもオモシロイのではないかとかんがえてみたりもします。──「正しい」個人情報の登録はサービスの利用停止をくらってからでもよさそうだし、自分でも実験してみようかしら。