夏目漱石とひきこもり

本日のつぶやき(成城トランスカレッジ!! ―戯言@はてな―、2004-8-18)
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20040818#p1

◇「図書 2004年8月号」にて、斎藤環氏が「漱石のひきこもり時代について」において、漱石は「ひきこもり」ではないかという指摘をしているとか。

『図書』は入手が面倒だから、そして「大先生」化する斎藤環にふりまわされないためにも、つぎに書店や図書館に行ったとき運良く目にすることがあれば手にとってみることができればいいかな……。

漱石」「ひきこもり」とくれば、やはり土居健郎漱石論を連想。ついでに、斎藤環漱石論も土居健郎の「甘え」概念をつかってそうだなぁ──と勝手に予想。

以下、関連リンク。

……こんなことを書いてしまったあとに、つぎの文章を発見。

「図書」2004年8月号(吉祥寺日乗、2004-8-16)
http://d.hatena.ne.jp/suetakashi/20040816#1092635925

斎藤環漱石のひきこもり時代について」
漱石統合失調症うつ病といった精神病ではなく
神経症・「ひきこもり」ではという話。
末延芳晴『夏目金之助 ロンドンに狂せり』(青土社)を紹介。

なるほど。「漱石はひきこもりでした」というか「漱石は精神病ではありませんでした」というお話のようです。
しかし、これまでの病跡学者によって夏目漱石がどのように分析されていたかを知らないので、「漱石は精神病ではありません」と主張することが画期的なことかどうか判断できないヽ(´ー`)ノ

◆ 追記(2004-08-20):いろいろありまして、
『図書』8月号ゲット ズザーーーッ⊂(゜Д゜⊂⌒`つ≡≡
というわけで「漱石のひきこもり時代について」についてメモ。

  • 予想よりも「大先生」度が薄くてイイ感じの小論
  • 病跡学では漱石統合失調症説が有力ではあるが、作家としての高い創造性と実人生の病的エピソードの共存が精神科医の常識からは理解されにくいのか議論が紛糾
  • 漱石の妄想体験は「ひきこもり」状況から二次的に生じたもの、強化されたものではないかという斎藤環の自説を裏づけるものとして末延芳晴『夏目金之助 ロンドンに狂せり』を紹介
  • 漱石の狂気は神経症性のものと推定可能であり、このような狂気は現代の「ひきこもり」青年にもしばしば共有されていると自説を展開
  • 内省による自己否定を創造性へ昇華したのは漱石の場合ユーモアではないだろうかと考察
  • ちなみに「土居健郎」や「甘え」という言葉はまったく登場しません(笑)

「勝手に予想」なんてするもんじゃない……。